みなさんこんばんは。
Carl Zeiss(カールツァイス)のAPO SONNAR(アポゾナー) 135mm F2のおはなしをしたいだらだらくまです。
カールツァイスはMFのレンズが多くラインナップされています。
カールツァイスのレンズは最近はシリーズ名も付くようになってきましたが、基本的にはレンズ名称と焦点距離、絞りの組み合わせです。レンズ名称はレンズ構成でつけられていてダブルガウス形式はPlanar、逆望遠(レトロフォーカス)形式はDistagonとなります。
そして今回ご紹介するレンズはSonnarになります。
Sonnar構成になりますのでそちらも含めてご紹介したいと思います。
CarlZeiss APO Sonnar T* 2/135 ZE
すべて金属の鏡筒で大きく重くマニュアルフォーカスのレンズです
135mmでF2のためレンズ有効径が大きくなります
前からのぞくと後ろが大きく見えます
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Sonnar(ゾナー)
Sonnarは1929年ツァイス・イコンのルートヴィッヒ・ベルテレ博士がエルノスターを改良してできたレンズです。
3群7枚という構成で3枚が貼り合わされたレンズ群がふたつあります。
今のように光学技術の進化やコンピュータがメインになる前でしたので、なるべくレンズ面と空気の接触を少なくすることで生まれたレンズです。
当時は大きなガラスが必要なことで値段が高かったようです。
欠点としてリアガラスがミラーに干渉してしまうことがありました。
その後ダブルガウスなどのレンズが後方に出ない明るいレンズが開発され一眼レフ用のSonnarは少なくなっていきました。
現在ではミラーが必要ないミラーレス一眼のレンズに採用されています。
名前の由来はドイツ語で太陽を意味するSonneから来ているという説が有力です。
昔でもこんなレンズが作られていたんだね
カメラとレンズの歴史はとっても古いよ
Sonnar 初期
ルートヴィッヒ・ベルテレ博士の開発
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ゾナーの画像
APO
今回ご紹介するレンズはAPOという記号がつきます。
このAPOという記号は「アポクロマート」設計のレンズに使われる言葉です。
アポクロマートというのはアクロマートの進化型です。
「ポ」が加わったことが進化ではありません(笑
アクロマートレンズというのは色分かれを防ぐためのレンズです。
通常レンズを通した光は色ごとに完全に同じ位置に収束しません。
プリズムを通すと7色に分かれるのは学生の実験でしたと思います。
この色分かれを防ぐために凹レンズと凸レンズを組み合わせてレンズを作っていました。
正確には2波長の色消しが成立しているものをさします。
しかしこれだけでは2波長以外の色収差を防ぐことはできません。
このアクロマートでも補正しきれない収差を残存2次色収差または2次スペクトルといいます。
そこでレンズの分散性が少ないものや異常な素材を使用してレンズに組み込みます。
各メーカー色々な呼び方がありますが、有名なものでは蛍石レンズがあります。
この特殊なレンズを用いることで2次スペクトルを除去することができ、この設計をアポクロマートとよびます。
CarlZeissではアポクロマートだけでAPOが付いているわけではありません。近接撮影時に画像を最適化できる「”浮遊要素”デザイン」の機構も付いています。本当に超高性能レンズにだけAPOがつけられています。
補足ですがアポクロマート設計というのは光学的な説明をするとわかりづらいのですが、簡単に説明すると色の3波長の焦点位置を一致させるように特殊な程分散ガラスや部分分散ガラスなどを使って設計されたレンズのことをいいます。
他のレンズとは一線を画するレンズです。
なにか記号がついていたら調べてみようかな
APOがつくレンズはどれも優秀なレンズだよ
CarlZeiss APO SONNAR T* 2/135
「異常部分分散を示す特殊ガラス製レンズ」を使用してアポクロマートになっています
カメラへ装着した大きさ
カメラの横にフードをつけて立てた比較
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APOがつくのはOTUSシリーズとこのレンズだけ
CarlZeissには単焦点レンズなのに数十万円するレンズがあります。
OTUS(フクロウ)レンズシリーズになりますが、このシリーズのレンズはすべてAPOがついています。
OTUSのレンズはすべてF1.4で28mmから100mmまでの単焦点レンズがラインナップされています。
もしこのOTUSシリーズのレンズを手に入れるのならずっとカメラを続けてなるべく多くの撮影をするくらいの気持ちが必要です。
それくらい写りがすばらしく、値段が高いレンズになっています。
すごいレンズだね
OTUSシリーズを知る人も増えてきたね
135mmの焦点距離
通常フルサイズで50mmを使用しているなら135mmは望遠で慣れないため、あるシチュエーションでのみ使用するということになります。
これは少しまちがっていて使いこなせていない場合によく言われる言葉です。
135mmはどんな時に使うのでしょう。
確かに望遠の単焦点となると撮影の仕方や被写体を選ぶ必要があります。
撮影したい被写体があってそのために必要なレンズですので、目的をもって購入したなら使い道を知っているはずです。
わたしは花、人、遠くからの電車など撮影したいものが決まっていて必然的に選ぶようになっています。
135mmの単焦点レンズを使っているとその画角に慣れてきます。望遠レンズですので広くは写せませんが切り取った風景は可能です。
自然と感覚が身についてきますので活用できるレンズになると思います。
せっかくの高級なレンズです。使いどころがわからなくて持ち出さないレンズになるより何を撮影したいかを選んで購入できるといいですね。
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Sonnarデザイン?
CarlZeissのホームページを見るとSonnarデザインと書かれています。
実はApo Sonnar T* 2/135は初期のSonnarのレンズ構成とは大きく違うのです。
面影は先頭のレンズの密集と後群に大きな凸レンズがあることくらいです。
発展系といえばそれまでですが、Planarのように大きく変更せずに維持されても良かった気がします。
現在のSonnarデザインはPlanarとDistagonに分類できないレンズがSonnarと呼ばれるような気がします。
違うレンズに見えてしまうくらい初期のレンズより進化しているんですね。
いい写りのレンズがいいよね
今のSonnarはすごいね
CANON EOS 6D と CarlZeiss APO SONNAR T* 2/135 ZE で撮影
ISO100 F2 1/500秒
少し離れたバラも背景から浮き立つように撮影できます
CANON EOS 6D と CarlZeiss APO SONNAR T* 2/135 ZE で撮影
ISO100 F2 1/640秒
かもくん実写です
まとめ
Sonnarのご説明をしてみましたが、APO SONNARはマニュアルフォーカスだけどすごく写りがよくてすばらしいレンズであることがわかっていればレンズの形式などは知らなくてもいいことかもしれません。
でもCarlZeissの魅力にはまるとこのようなレンズ形式やガラスの性能などがとても気になるようになってきます。
知ることはとても大切ですし、知らないままだとレンズのすばらしさを知らないままになってしまいます。
CarlZeissのAPO SONNAR T* 2/135は写りに関してはすべてのレンズをみてもかなりの上位に入るレンズです。
みなさまがどこかで手に入れることができることを楽しみに待っております。
レンズの作りや素材などが気になるとどんどんレンズに興味を持ち欲しくなってしまいます。
決してレンズ沼には入らないように気をつけてください。
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