みなさんこんばんは。
グラフによるレンズの性能をみるおはなしをしたいだらだらくまです。
ほしいレンズがあったときやお手持ちのレンズについてメーカーのWEBページをみたことがあるでしょうか?
レンズの仕様というところにグラフが載っているのをみたことがあるかもしれません。
このグラフをMTF(Modulation Transfer Function)といいます。
MTFと覚えておけばだいじょうぶです。
このグラフをみることでレンズの性能の一部分を知ることができます。
MTFの見かたや意味を知っているとレンズが欲しいと思ったときに役にたつと思います。
なるべく簡単におはなししてみたいと思います。
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MTFでわかること
さいしょからグラフの説明ではわかりづらいと思います。
でもグラフのご説明をしないとMTFでわかることを詳しくいえません。
MTFのグラフのご説明のあとで詳しくまとめます。
さいしょはセンサーの位置でどのような写りをするのかが把握できるグラフだと思っていただきたいと思います。
簡単ですがこのグラフで以下のことがわかります。
○解像度(実物をどれだけ正確に表現できるか)
○センサーの中心から外側に向かってのグラフ
○コントラストと解像度をあらわすグラフがある
○グラフは開放F値での表記
○0.8以上はとても優秀 0.6以上は満足
うーん むずかしいよ
さいしょはすべてのグラフが高い方がいいと覚えよう
グラフのたて軸とよこ軸
たて軸
これは0から1で表しますがコントラストを表します。
1に近いほどコントラスト表現がよくできていて
低いほど色の表現が苦手だと思ってください。
グラフの種類では解像度もあらわします。
解像度も1に近いほど実像と同じように写真が撮れることになります。
よこ軸
これはレンズから画像が届くイメージセンサーの中心からの距離をあらわします。
そして距離は対角線の距離になります。
中心から外に向かうごとに周辺部になるためレンズでよい表現をするのがむずかしくなります。
それを表現するために中心から外側に向かってのグラフになっています。
APS-Cでは 約14.7mm
となります。
この2つの軸で見ることになります。
センサー中心からの距離によってどんなコントラストや解像度を表現するのかを把握できます。
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グラフの種類
グラフには4本の曲線が載ることが多いです。
SとMという2つの要素で表現をします。
S 「サジタル方向」のことで放射直線上をあらわします。
M「メリジオナル方向」のことで同心円をあらわします。
S(サジタル) M(メリジオナル)であらわすセンサーの場所
Sは右上に矢印を引いていますが、すべての対角を表現します。
Mは円周上を見るため完全に1になるのはむずかしいです。
そしてSとMそれぞれにグラフが2つあります。
イメージセンサーの中心から放射直線での値と円でとらえる同心円ではとらえる像が違うのです。
1本ずつ見るよりも合わせて見ることが多いです。
30本/mm 間隔がせまいため解像度をあらわします
1mmの中に10本 , 30本の線を写したときにどれだけ適切に写せているかになります。
間隔が広い10本/mmではコントラストをあらわすために使用し
狭い30本/mmでは精細に表現できるか解像度をみています。
本数はセンサーの大きさに対応するレンズにより数字がちがうことがあります。
おなじ画像の大きさで見る場合はセンサーが小さいほど多くの本数で見ないといけません。
フルサイズでは10本 30本なのに対してAPS-Cでは15本 45本で表現するメーカーもあります。
マイクロフォーサーズはさらにセンサーが小さいため20本 60本としてMTFを載せています。
なるべく1に近いレンズを選ぶといいんだよね
1に近いレンズはとっても値段が高いよ
そうなんだね 0.6から0.8くらいを目標にしてみるよ
0.8はとても満足できる画質だよ
グラフが複数ある場合
レンズやメーカーによっては
MTFグラフが複数ある場合があります。
○ズームレンズで広角端と望遠端で2つ
ズームレンズはどちらもMTFがあることが多いです。
どちらもよく見てレンズ選びをしたいですね。
○基本は開放F値のグラフだがF5.6など絞ったMTFがある場合
基本的に開放F値で表現されていることが多いですが開放でのMTFが安定していないときなどF5.6やF8に絞ったときのMTFが載っていることがあります。
レンズデータを把握するにはなるべく多くのグラフがあったほうがいいですね。
EF24-105mm F4 L Ⅱ IS USMのMTF
24mm 105mm の解放F値でのMTF
CANON ホームページ引用
https://cweb.canon.jp/ef/lineup/standard-zoom/ef24-105-f4lii/spec.html
ズームレンズがほしいよ
ふたつグラフがあるよね
どちらもよく見てみようね
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MTFの読みかた
10本/mmがなるべく1に近ければよいコントラストです。
そしてこの曲線が20mmまで高い位置で維持できていれば画面周辺までコントラストがよいレンズとなります。
30本/mmがなるべく1に近ければよい解像度です。
周辺部となる20mmまで高い位置を維持できれば画面全体で解像度が良いレンズとなります。
SとMにはどうしても違いがでてきます。
「直線で評価するS」と「円でみるM」ではどうしてもMの方が落ちやすくなります。
1に近いほど良い性能になりますが0.9以上を20mmまで維持しているレンズはほとんどありません。0.8以上であればとても良いレンズで0.6以上なら満足できるレベルといえます。
簡単に解説すると以上のようなことになります。
すべてのレンズでよいMTFではありませんしMTFが悪く表現しても写りがとても良いこともあります。
MTFではぼけのきれいさをみることもできます。
10本/mm低周波の曲線を見ます。
このときSとMの線がおなじラインをたどるほどぼけが良いです。
ぼけには収差が大きくかかわり非点収差やコマ収差がぼけを悪くします。
その場合はSとMのラインに大きなずれが見られます。
10本/mmのラインがSとMで大きくずれているときには収差が目立つことでぼけが良くないことを想定できます。
MTFですこし写真を想像したよ
次に写真の作例を見ようね
レンズの焦点距離ごとの特性
焦点距離でMTFの特性は大きく違います。
○50mm付近のレンズはすべてのグラフが1になるようなことはありませんが、なだらかに周囲に向かって落ちていきます。
○100mmよりも望遠となるレンズでは0.8以上で周囲まで安定していることが多いです。
広角レンズのMTFと望遠レンズのMTFを比較してもほとんど参考になりません。
比較をするならおなじくらいの焦点距離のレンズでみるといいでしょう。
広角レンズはグラフがみだれるね
広角になるほど完全に表現するのはむずかしいんだよね
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まとめ MTFがすべてではない
MTFはレンズを把握するひとつの方法です。
MTFですべてを把握できるわけではありません。
例えば高性能レンズでS10本 S30本 M10本 M30本が
すべて1にぴったりとはりついた高性能レンズだったとします。
ではすべてが良い写りかというと撮影してみたら魅力的な写真が撮れないという結果もあります。
次にMTFのグラフは解放F値のものです。
開放F値から解像度が高いグラフなら安心です。
しかし、開放F値は非常に明るいレンズでMTF曲線が収差のためとても悪く表示されているものがあります。
本来はF5.6などのグラフが欲しいのですが、載っていないことがほとんどです。
そんなときはフォトサイトなどで作例の画像を見てF値などの設定を見る必要があります。
開放F値だけのグラフには注意ですね。
MTFではすべての性能を把握できるものではありません。
レンズの操作感を知りたいときはMTFはまったく役に立ちませんね。
レンズを選ぶときには必ず作例を見るようにしましょう。
MTF曲線はよくないレンズでもとても魅力的な写真が撮れるレンズはたくさんあります。
他にも判断材料はあります。
わかりやすいのは値段です。これは実売価格ではなく希望小売価格で見ましょう。
良いものはやはり高いレンズであることが多いです。
作例をみて気になったレンズがあるときはMTFも見ると良いですし、MTFを先に見たときには作例も確認しましょう。いくつかの要素を並べることで満足できる購入につながるはずです。
おすすめの方法があるよ
レンズの情報サイトにはMTFを解説しながら
評価しているサイトもあるよ
さらに勉強になるね
サイトの評価を見るのも大切だよ
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