みなさんこんばんは。
MTFの見かたを実際のレンズでおはなししたいだらだらくまです。
MTFはレンズの性能の一部を知るためのグラフです。
このグラフだけですべてを判断するのは良くないと思いますが、MTFはレンズを知る材料の一つではあります。
メーカーのホームページには必ず載っています。
情報サイトやカメラ雑誌でもMTFについて書かれることも多いです。
せっかくですので読めるようにしておくといいですね。
実際のレンズのMTFでおはなしをしてみたいと思います。
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実際のMTFでの解説 ズームレンズ
CANON EF24-105mm F4 L IS Ⅱ USMのMTFでおはなししてみたいと思います。
ズームレンズですので広角端の24mmと望遠端の105mmの2つのグラフが記載されています。
参考画像CANON ホームページ
https://cweb.canon.jp/ef/lineup/standard-zoom/ef24-105-f4lii/spec.html
○24mmのグラフ
10本/mmのグラフはSは17mmくらいまでは1に近い良好な数値が伸び周辺部に向かうと落ちてきます。
Mは8mmくらいからゆるやかに低下しますが、0.8以上をキープしていてとても良好です。
解像度をあらわす30本/mmではSは17mmまで0.8以上です。同心円上のMはさいしょから低下していきますが、少し絞ることで改善できそうです。
広角側は満足できる写りといえそうです。
○105mmのグラフ
10本/mmのSは周辺まで0.95以上です。
Mは少し周辺に向かうと落ちてきますが、0.8以上ですのでとても優秀なコントラストです。
30本/mm解像度のグラフはMは中央から落ち込んでいきますが、十分に優秀なレンズといえます。
望遠側にくらべると広角側は性能が低く見えますが、24mmという広角ですので健闘していると思います。また、開放F値での数値ですので絞ったときには画質が向上することが見込めます。
MTFのグラフでみる曲線は開放F値のため周辺部では画質が落ちているようにみられます。
しかし、F4ではぼけを取り入れた撮影ができます。
CANON EOS 6D と EF24-105mm F4 L IS USM で撮影
ISO400 F4 1/200秒 焦点距離50mm
おなじ24-105mm F4 ですが前の型のEF24-105mm F4 L IS USMの写真です
ぼけの表現を取り入れて撮影できるため周辺は気にならない場合があります
24mmはグラフがすぐに落ちちゃうね
ズームレンズの広角側はこんな感じだよ
そんな場合は絞った写真を見てみよう
実際のMTFでの解説 単焦点レンズ
単焦点レンズはわかりやすく焦点距離がひとつですので
MTF曲線もひとつだけになります。
参考画像CANON ホームページ
https://cweb.canon.jp/ef/lineup/standard/ef50-f12l/spec.html
単焦点レンズのMTFはCANON EF50mm F1.2 L USMのMTFでおはなししたいと思います。
レンズとしてはフルサイズ対応の50mmの単焦点レンズで開放F値は1.2と大口径レンズになります。
10本/mmはセンサー中心では0.8以上あります。
そして15mmより周辺では0.6を下回るレンズです。
画像周辺部ではコントラストは期待できなさそうです。
30本/mmは中心部から0.6に届きません。
3〜4mmで一度落ちて8mm付近で改善していますが、周辺部ではさらに低下していきます。
悪く見えてもこのレンズには2つの理由があります。
○MTFのF値が開放の1.2であること
F1.2という大口径レンズです。
F1.4をこえる大口径レンズのため開放F値では収差が多く残ります。
この収差によるコントラストや解像力不足がMTFにあらわれているのです。
絞っていくと収差がおさえられてとてもよいMTFになることが想像できます。
○ぼけを利用した写真が得意であること
それではMTFでの数値がよくないレンズはだめなレンズでしょうか。
そんなことはありません。
収差が多いと思いますがぼけに期待することができます。
背景が大きくぼけることで被写体を際立たせることができます。
解像度が高く精細な写真が撮れたらうれしいですね。
しかし、F値が小さい大口径レンズでは解像度が高くなくてもぼけを利用することで被写体が確実に引き立つようになります。
大口径レンズはこの表現が望まれるのだと思います。
もちろん絞ると解像度が増しますので使い分けが必要ですね。
CANON EOS KISS X7 と EF50mm F1.2 L USM で撮影
ISO100 F1.2 1/125秒 ND4使用
開放F1.2で撮影 ぼけの中に被写体が浮き立ちます
明るい単焦点レンズはすごくぼけるね
収差が残るけどぼけにつながってきれいだね
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わたしのMTFの見かた
わたしもレンズのMTFは目を通します。
もし自分でレンズが欲しいと思ったときは10本/mmのラインを重点的にみるようにしています。
コントラストが的確に表現できていないと解像度も低い連鎖があります。
広角や標準域ではセンサー周辺に行くほどS , Mともに落ちてきます。
この落ち方がなめらかであるかも重要です。
30本/mmの解像度ももちろん重要ですが、見すぎて迷わないようにしています。
少し目を通して画像サイトの作例を見るようにします。
このとき色ごとに画像を見たり、被写体から背景の遠さでのぼけなども確認していきます。
これでほぼレンズの特徴を知ることができます。
もし30本/mmのラインが極端に変動していたり、S , Mの開きが大きいなど気にかかることがあった場合はレンズの評価サイトや雑誌でレンズの解説を見るようにします。
MTFの見かたから画像サイトを見て写りを確認することまでのご説明でした。
レンズ評価の解説もわかるようになるね
MTF曲線を見ながらわかるといいよね
まとめ
実際のレンズでMTFを見るとイメージがつきやすいですね。
望遠レンズのほうが1に近いグラフで安定しますが、レンズによりF値のちがいで写真はちがってきます。これはグラフだけではわかりませんね。
広角を含むズームレンズではどうしても広角側は悪くなります。
ズームレンズは広い焦点距離をあらわすためしかたありません。
しかし、広角レンズでも単焦点レンズやズーム倍率が低い広角ズームレンズでは大変よいMTF曲線で写りも周辺まで正確です。
MTFだけで画像まではわかりません。
しかし画像だけでもわかりづらいことも多いのです。
そんなときにMTFグラフを見くらべてみるのもレンズを判断するひとつの要素になりますね。
今書いたことと逆のことになりますがMTFを信じすぎるのも良くありません。実際に写真を見て気に入った写りならばそれでもいいと判断できるのです。あくまでもレンズを知る情報です。
数字やグラフでわかりやすいこともありますが、あまり気にしすぎてしまうとほしいレンズや気になるレンズにも敏感になってしまいます。
どんなレンズも得手、不得手がありますので、ひとつの要素として見るようにしましょう。
ほんとうに選択で大変なのは値段だと思います。
むりをしない判断をしていきましょう。
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