みなさんこんばんは。
CarlZeissの中望遠レンズを紹介したいだらだらくまです。
今回ご紹介したいレンズはCarlZeissの「Planar T* 1.4/85」です。
Cosinaが製造するCarlZeissのレンズの中ではClassicというシリーズに分類されます。
現在発売されているMilvusシリーズの1世代前のレンズになります。
85mmレンズはポートレートレンズなどとよばれ、いろいろなメーカーから発売されていますがその中でもめずらしいマニュアルフォーカスのレンズとなります。
オートフォーカスではないレンズですが、どのような特性や利点があるかおはなししてみたいと思います。
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レンズの詳細
Planar T* 1.4/85 | |
---|---|
焦点距離 | 85mm |
開放F値 | F1.4 |
最小F値 | F16 |
レンズ構成 | 5群6枚 |
レンズ構成型 | ダブルガウス |
最短撮影距離 | 1.0m |
最大撮影倍率 | 0.1倍 |
質量 | 670g |
価格 | ¥119,500 |
Planar T* 1.4/50と同じPlanarのレンズです。
一般的なレンズ構成名はダブルガウスとなります。
F1.4のレンズですので、大きく重くなります。
吸い込まれそうな大口径です。しかし、マニュアルフォーカス専用のレンズでモーターがないこととレンズ使用枚数が少ないため670gでも軽量だと思います。
やはりMF専用レンズであることがいちばんの特徴だと思います。
項目ごとに詳しくおはなししてみたいと思います。
どんな写りをするのかな?
Planar T* 1.4/85は高級レンズですが、非球面レンズと異常低分散レンズを使用していません。
Planar T* 1.4/50と同じ構成です。
そして基本的なダブルガウス構成のため開放F値では収差が発生し絞ると解像度が高くなります。
ふわっとした開放の写りから絞ったときのとても解像度が高い特性を味わうことができます。
F1.4からF2くらいまでは背景に溶けてしまうくらいやわらかい写りとなります。
F2.8からは解像度が高い写りになり、
F5.6では最高の写りになります。
CANON EOS 6D と CarlZeiss Planar T* 1.4/85 ZE で撮影
ISO100 F2 1/640秒
ディズニーランドオムニバスにハロウィン期間乗っているゴースト運転手
F2でとろける様な写りと背景ぼけの作例
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マニュアルフォーカス
マニュアルフォーカス専用のレンズです。
他社のレンズはAFレンズでAFモーターが組み込まれていますが、Planar T* 1.4/85はモーターがありません。
昔のマニュアルフォーカスのレンズと同じくレンズと鏡筒がヘリコイドという螺旋の切り込みで接続されます。
そこにグリスが塗布されてピント合わせに適した重さと微妙な調整がしやすいレンズとなっています。
ヘリコイドの写真
分解したMFレンズのヘリコイド部分
溝の通りに動きフォーカスを合わせることができます
ピント合わせ
最近の一眼レフは昔のカメラと比べてファインダーの見えかたが明るさを重視しています。
昔はざらっとした見えかたのファインダースクリーンでピント合わせもスプリット方式など見えやすかったのですが、現在は明るさを重視してAF用のカメラになっているため得意ではありません。
ファインダーをのぞいてピントを合わせたいときはフォーカスエイドというピントがあった場所で測距点が光って教えてくれる方法を使用します。
F1.4でのピント合わせはフォーカスエイドを用いても合わないことがあります。
カメラのAFセンサーの能力とF値に差があるためです。
そんな場合は背面液晶を使用してピント合わせをおすすめします。
F値ごとの写りの変化
F1.4〜F16
CANON EOS 6D と CarlZeiss Planar T* 1.4/85 ZE で撮影
ISO800 F1.4 1/250を基本に露出を変えずに撮影
ピントは冊子のシンデレラ城に合わせました
F1.4
F2
F2.8
F4
F5.6
F8
F11
F16
F1.4ではふわっとした写りですが、大きくぼけが入りきれいな描写です。
F2.8くらいからはピント面からしっかりとした写りになります。
F5.6ではぼけもきれいに残り解像しますがF8が解像のピークですね。
写りが大きく変わり表現自体楽しめるレンズです。
ピント合わせはライブビューを活用しよう
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同規格レンズとの比較
Planar T* 1.4/85 | EF85mm F1.2 L Ⅱ USM | EF85mm F1.4 L IS USM | 85mm F1.4 DG HSM Art | |
---|---|---|---|---|
焦点距離 | 85mm | 85mm | 85mm | 85mm |
開放F値 | F1.4 | F1.2 | F1.4 | F1.4 |
最小F値 | F16 | F16 | F22 | F16 |
絞り羽根枚数 | 9枚 | 8枚 | 9枚 | 9枚 |
最短撮影距離 | 1.0m | 0.95m | 0.85m | 0.85m |
最大撮影倍率 | 0.1倍 | 0.11倍 | 0.12倍 | 0.11倍 |
フィルター径 | 72mm | 72mm | 77mm | 86mm |
最大径×長さ | φ78.4mm×64.6mm | φ91.5mm×84mm | φ88.6mm×105.4mm | φ94.7mm×126.2mm |
特殊硝材 | なし | 研削非球面レンズ1枚 | 非球面レンズ1枚 | SDガラス2枚 非球面レンズ1枚 |
質量 | 670g | 1,025g | 950g | 1130g |
値段 | ¥135,000 | ¥235,000 | ¥200,000 | ¥160,000 |
特徴 | 非球面レンズ 異常低分散レンズなし MF | F1.2 | 手ぶれ補正付き 開放から解像 | 開放から解像 性能と比較して安価 |
この中でF1.2を誇るCANON EF85mm F1.2 L Ⅱ USMは他のメーカーでは味わえない最高のぼけを持ったレンズです。誰もが憧れるレンズのひとつです。
CANON EF85mm F1.4 L IS USM
SIGMA 85mm F1.4 DG HSM Art
この2本は開放のF1.4からすごく解像するレンズです。
CANONは手ぶれ補正つき、SIGMAは高性能なのに値段はおさえていて選ばれるレンズといえます。
高性能なレンズが多くCarlZeiss Planar T* 1.4/85はすべてもう一歩のように見えてしまいますが、特徴的なのは異常低分散レンズと非球面レンズを使用せず光学系を組み上げているところです。
そしてマニュアルフォーカスの操作性に尽きると思っています。
撮影しやすいレンズではないと思いますが、それが最大の利点だと思えるレンズです。
シャッターチャンスはAFレンズだね
でもPlanarの写りを知ってほしいな
コストパフォーマンス
値段が高いですね。
社外のレンズでオートフォーカスが使用できないのに¥100,000を超えるのは気にしてしまうと思います。
レンズ独特の写りと表現すればそれまでですが、CarlZeissのレンズにハズレのレンズはないと思っています。
必ずCarlZeissが検査をして認証しないと発売できません。
レンズの設計から関わっているため写りに妥協はありません。
この値段の高さは鏡筒はすべて金属でできていることと写りに妥協せずに開発されたレンズであるととらえることができます。
単純な解像度ではなく写真の表現としてみたときに他のレンズでは表現できない写りをすることを知ってしまったら最高のコストパフォーマンスだと思います。
しかし、オートフォーカスや手ぶれ補正がないことで撮影できるチャンスを逃すかもしれないと考えてしまうとコストパフォーマンスはとても悪いレンズになってしまいます。
買うと決めたらずっと使いたいね
知っている人からはすごく見られちゃうよ
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まとめ
オートフォーカスが必要ないと思えたくらい写りが良いレンズです。
このレンズを動きものであっても即座にピント合わせができるくらいになればいつも持ち歩きたいレンズです。
わたしは自信がありませんので85mmはオートフォーカスのレンズも所有しています。
それでも背景のぼけのきれいさやソフトに写したいときの表現方法では最高のレンズです。
異常低分散レンズや非球面レンズを使用していない素直さがこのレンズにはあります。
そのかわり上手に撮影できないとレンズに試されている感じがしてしまいます。
機能よりも写りと表現と思えたときには他のレンズには見向きもしなくなっているでしょう。
それほどのすばらしいレンズです。
個人的嗜好性がもちろん大きく関与しています。
ご了承ください。
MFレンズは撮影が記憶に残るね
そうだよ それはとっても大切だよ
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