みなさんこんばんは。
現在のCANONで最高の明るさの50mmレンズをご紹介したいだらだらくまです。
今回ご紹介したいのは「EF 50mm F1.2 L USM」 です。
先にお知らせしたいのですが、このレンズは解像度重視のレンズではありません。
実際は解像度もすごいレンズなのですが、収差が残るレンズですので独特な写りをするレンズと見たほうがよいでしょう。
CANONのレンズで現在発売されているレンズの中では最高のF値です。
50mmの単焦点レンズでF1.2と大口径でとても高価なレンズです。
そんなレンズの魅力についておはなししたいと思います。
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レンズの性能
EF 50mm F1.2 L USM | |
---|---|
焦点距離 | 50mm |
レンズ構成 | 6群8枚 |
レンズ構成型 | ダブルガウス |
特殊硝材 | 非球面レンズ1枚 |
開放F値 | F1.2 |
最小絞り | F16 |
最短撮影距離 | 0.45m |
最大撮影倍率 | 0.15倍 |
質量 | 590g |
希望小売価格 | ¥185,000 |
レンズの構成はダブルガウスとなっています。
とても素直な写りをしますが、周辺に色収差を発生しやすいレンズとなります。
このレンズは仕様を見てもF1.2であること以外に特別なところはありません。
しかし、このレンズが数々の吸い込まれるような写真を生み出しているんです。
とても高いレンズだね
それだけの魅力があるレンズだよ
F1.2であることの利点と欠点
F1.2はとても明るいレンズです。
現在のCANONの中では最高の明るさを持っています。
これにより最高のぼけ味が表現されます。
ここまでが最高の利点です。
欠点としてはF1.2であることの被写界深度の浅さです。
ピントを合わせてシャッターを切るまでの間に被写界深度から外れてしまうことも多々あります。
厳密なピント合わせをするにはとてもむずかしいレンズであることがいちばんの欠点だと思います。
そしてこのレンズは欠点だらけのレンズです。
すこしだけむずかしいおはなしになりますので次の項目からご説明します。
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収差
レンズのF値が1.2ととても明るいことから収差が大きくなります。
レンズの有効口径は50mm/1.2 で 41.7mmとなり非常に大きいことがわかります。
4cmの有効口径があるとななめからの光の影響が
大きくなります。
そのななめの光で画質に影響してしまいます。
もうひとつは直線的な光でもレンズの中心を通るか端を通るかで像を結ぶ位置が違ってきます。これを球面収差といいます。
F値が小さい明るいレンズ全般にいえることですがこの収差を理解して使っていくことが大切です。とくにダブルガウスレンズはおこりやすいと思います。
開放ではふわっとした写りだね
収差はあるけどぼけが最高だよ
フォーカスシフト
球面収差から発生する現象のひとつにフォーカスシフトがあります。
まずはフォーカスシフトについてご説明したいと思います。
レンズの中央と端を通った光は結像する場所がちがいます。
これは先ほどの球面収差ですね。
そしてこのフォーカスシフトが起こるのには現在の一眼レフのオートフォーカスの方式によります。
F1.2のレンズでF4まで絞って撮影するときを例にしてみます。
オートフォーカスは絞りを開いた状態で行われます。
そしてシャッターを切る瞬間に絞り羽根が閉じられるんです。
この方式ですのでずれてしまいますね。
対策としては絞り込みボタンを押して絞り羽根が閉じた状態でマニュアルフォーカスで合わせる方法です。これは大変ですね。
もうひとつは絞って撮影したいときはオートフォーカスのポイントを変えることです。F5.6で撮影したいときはF2.8対応のセンサーではなくF5.6対応のセンサーを仕様したほうがピントが合います。
CANONのAFセンサーの光束はF2.8・F4・F5.6があります。
絞ったときは上手に活用することでピントが合う可能性が高くなります。
しかし、F1.2でのAFは光束センサーがないため開放でもずれてしまう可能性がありますね。
この場合はライブビューでのAFが正確だと思います。
フォーカスシフトは現在のカメラでは絞り込んでMFしか完璧な対策はありません。
ライブビューでも絞り込んだ場合は防ぐことはできません。
何枚か撮影した中から良いものを選ぶかぼけを重視してピントを気にしないで撮影するかになります。
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CANON 50mmレンズの比較
CANONの50mmのレンズは3本あります。
レンズ構成型はすべてダブルガウスでレンズ構成は少しずつ違いますが、F値の違いがほとんどです。
F値がちがうということはレンズの大きさがちがい重さも違ってきます。
EF 50mm F1.8 STMとEF 50mm F1.4 USMで2/3段
EF 50mm F1.8 STMとEF 50mm F1.2 L USMで1段の差です。
EF 50mm F1.8 STMは開放からしっかりとした写りですのでとても使いやすいです。
しかしF1.4やF1.2になると2/3段と1段の違いですが、写りやぼけはまったく異なります。
たった1段なのにと思ってしまいますが、その小さな数値だけからは想像しづらい写りと明るさの違いがあり、価格も大きく異なるレンズたちです。
EF 50mm F1.2 L USM | EF 50mm F1.4 USM | EF 50mm F1.8 STM | |
---|---|---|---|
焦点距離 | 50mm | 50mm | 50mm |
レンズ構成 | 6群8枚 | 6群7枚 | 5群6枚 |
レンズ構成型 | ダブルガウス | ダブルガウス | ダブルガウス |
特殊硝材 | 非球面レンズ1枚 | なし | なし |
開放F値 | F1.2 | F1.4 | F1.8 |
最小絞り | F16 | F16 | F16 |
最短撮影距離 | 0.45m | 0.45m | 0.35m |
最大撮影倍率 | 0.15倍 | 0.15倍 | 0.21倍 |
最大径×長さ | φ85.8mm×65.5mm | φ73.8mm×50.5mm | φ69.2mm×39.3mm |
質量 | 590g | 290g | 160g |
希望小売価格 | ¥185,000 | ¥55,500 | ¥19,500 |
使い方
わたしの使いかたはすべて開放F1.2で撮影することです。
理由はF1.2で独特の写真が撮れるのに絞ったらもったいないという考えです。
このレンズの開放F1.2という数値はものすごく明るい値です。
例をあげてみると晴れの日にISO100 F1.2 で設定するとシャッター速度は1/8000秒でも間に合わないくらい明るく撮影できてしまいます。
これでは撮影できませんね。
そこでNDフィルターというくらいフィルターを使います。
ND4というフィルターは2段分暗くすることができ晴れの日でもくもりの日と同じくらいの明るさにできます。
そしてF1.2で撮影するような方法をとります。
明るすぎて昼間の開放は大変だね
そんなときはNDフィルターを使うよ
CANON EOS 1D X と EF 50mm F1.2 L USM で撮影
ISO100 F1.2 1/125秒 ND4フィルター使用
バラの花以外すべてぼけるような撮影ができます
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まとめ
正確なピント合わせがむずかしく癖があるレンズと評価されることが多いレンズです。
確かに的確なピントや解像度を求めて購入したら残念に思うことが多くありそうです。
しかし、このレンズでしか表現できない写真があります。
このレンズを使用したときに正確なピントや解像度から目を離してみましょう。
写真を見返したときに撮れた写真におどろき手放せないレンズになるはずです。
F1.4のダブルガウスのレンズもありますが、F値1/3段の差はとても大きな差であることに気づきます。
そしてぼけ味はほんとうに最高です。
価格が高いことで悩んじゃうかも
長い期間で考えてもいいよね
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