みなさんこんばんは。
動きものを躍動感あふれるように撮影したいだらだらくまです。
走っている車や電車などの写真で被写体は止まって撮影されていてそのまわりがスライドしているような写真を見たことがあるでしょうか?
この撮影の方法を「流し撮り」といいます。
とても速い電車や車を普通に撮影する時に速いシャッター速度で撮影するとすべてが止まってしまうため通常躍動感は得られません。
これは一枚の写真に静止画としておさめているためです。
そんなときにシャッター速度を遅くして動く被写体に合わせてカメラを動かす撮影をすると被写体はそのままにまわりの風景だけが流れて撮影できるのです。
これが流し撮りの方法です。そんな流し撮りの方法やテクニックなどをおはなししてみたいと思います。
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流し撮り
動きものを撮影するときに被写体ぶれをしないように撮影するのがいつもの撮影方法です。
流し撮りは被写体ぶれをするシャッター速度で撮影します。
そのままだと被写体ぶれをしてしまいますね。
そんなときに被写体に追従するようにカメラを動かして撮影します。
CANON EOS 60D と TOKINA AT-X 270 AF PRO で撮影
ISO100 F11 1/25秒
ウエスタンリバー鉄道からビッグサンダーマウンテンの流し撮り
動きもののウエスタンリバー鉄道からの撮影のため難易度は高いです
カメラの設定
流し撮りをするためには被写体ぶれをしてしまうくらいのシャッター速度に設定します。
例えば静止画を撮影するのにISO100 F5.6 1/125秒が適正露出だったとします。
ここから流し撮り用の設定に変えてみます。
シャッター速度を遅くして同じ露出(明るさ)を確保するにはISO感度やF値を変更する必要があります。
もし1/15秒が遅すぎるときにはF11で1/30秒でもいいでしょう。
速い被写体はシャッター速度も少し速めないとね
そうだよ。すぐ通り過ぎちゃうからね
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構えと動作
カメラの設定よりもこの構えや動作が大切です。
これだけは注意していただきたいことから書いてみたいと思います。
手でカメラを振らないことです。
足を固定して腰から上を回すように被写体を追います。
基本はファインダーがあるカメラでの撮影になります。
カメラを左手で支えてしっかりと額にカメラをあててファインダーをのぞきます。
被写体が来た方からピントを合わせ続けて被写体の移動に沿って体を動かします。
正面に被写体が来るあたりでシャッターをきります。
流し撮りをするときにはカメラを振ったときにどんな軌道を描くか見ておきましょう。
スタートの位置と体をひねって振った後の位置の上下差をチェックしましょう。
体を被写体が来る方向に向けたまま振ると最後の状態は必ず斜め上がりになってしまいます。同じ高さを維持できるようにしておくことが大切ですね。
同じスピードで追えたとしても上下差があったときにはぶれてしまいます。
この構えと動きがむずかしいよ
がんばって練習だね
手ぶれ補正
通常の手ぶれ補正の場合にはOFFにした方が良いです。
本来ぶれないように補正してくれる手ぶれ補正機能ですが、わざとカメラを動かしたときには意図しない動きをして被写体を正確に追えません。
望遠レンズなど種類によりモードスイッチがあることがあります。
全体に対する手ぶれ補正と上下だけを補正してくれるモードが別のスイッチになっているレンズもあります。
この場合は上下だけ補正してくれるモードが流し撮り用の手ぶれ補正です。
このモードがある場合は有効活用しましょう。
手ぶれ補正をOFFにしてみるよ
流し撮りでは手ぶれ補正は使わないほうがいいね
CANON EOS 6D と CarlZeiss T* 1.4/50 ZE で撮影
ISO100 1.4 1/10秒
スプラッシュマウンテンの落下を流し撮り
たての流し撮りもおもしろいです
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補助機材
流し撮りをするにあたっての補助機材のご紹介です。
○NDフィルター
三脚はたてのぶれ防止になりますし左右の動きだけができますので使用できる場所で
完成度の高い写真を撮りたい場合は必要です。
三脚がある場合はライブビューでの撮影もできますね。
もうひとつはNDフィルターです。
ニュートラル・デンシティフィルターの略ですが、NDフィルターは発色に影響なく明るさを落とした撮影ができるフィルターです。
ND2,ND4,ND8のように1段ずつ暗くできるように濃度が用意されています。
とても明るい昼間に流し撮りをしたいときに使用することができます。
補助機材があると助かるね
良い撮影につながるといいよね
流し撮りの失敗しやすいこと
流し撮りのときはとても慌てやすいです。
慌てやすいのは仕方ないですね。
撮影したあとのことを考えるとどうしても慌てます。
特に電車のように狙った被写体がチャンスを逃すとしばらく来ないことが多いこともあります。こういったチャンスが少ないことも原因です。
こんな状況から失敗例としては「被写体の速度よりもカメラを早く動かしてしまうこと」です。焦ったりするので慣れない場合はこの傾向がみられます。
特にシャッターを切っている間は通常ファインダーはブラックアウトしますので感覚がつかみづらいです。
この場合はひたすら練習して慣れることです。
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被写体の速度
被写体の速度はとても重要です。
とても速い新幹線などはやはりむずかしいです。
でもとてもゆっくりなものもむずかしいのです。
時速40km/hくらいの被写体は撮影しやすいです。
と書いてみましたが被写体の速度は変わるのです。
変に思われるかもしれませんが本当です。
角速度という運動学からくる速度があります。
自分から近いほど速く遠いほど遅くなる速度です。
例にあげてみます。
例1)
100m以上遠くを走る新幹線
例2)
目の前を走り回る犬
どちらが速いのでしょうか?
間違いなく目の前を走り回る犬の方が速いのです。
実際撮影しようとすると近くを走る犬にはピントを合わせることも困難です。
流し撮りをするときにはそれぞれ撮影しやすいスピードになるように離れたり近寄ったり調整する必要があります。
この速さの調整も知っておくと流し撮りのときにはとても役にたつと思います。
近くのわんちゃんはほんとうに速いよ
近いときはあきらめちゃおうね
CANON EOS 6D と TAMRON SP24-70mm F/2.8 Di VC USD(A007) で撮影
ISO100 F22 1/6秒
蒸気船マークトウェイン号乗船中にウエスタンリバー鉄道を流し撮り
流し撮りのまとめ
流し撮りをするときに必要なのは3つです。
○被写体を追う体の動き
○被写体の速度把握と調整
露出の理解からはじまって動く被写体を一枚の写真におさめる表現も必要です。
これらをすぐにできるようになるのはむずかしいです。
何度もチャレンジしてみましょう。
待たずに撮影できる車などで練習してみてもいいかもしれません。
設定やカメラの振り方は技術的なことですので、撮影しながらメモなどをして記録してみましょう。
さいしょは昼間でしたら
ISO100 F16 1/30くらいの設定で様子をみて調整をしてみるといいかもしれません。
被写体を追うようにファインダーをのぞきシャッターを切ったあとのブラックアウト時も
同じ速度で振り抜くことが大切です。
足を固定して上半身をまわして振ってください。
いい写真が撮れるととってもうれしい流し撮りです。
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