CarlZeiss Planar T* 1.4/50 ZE いろいろな顔をもつレンズ

Planar T* 1.4/50 0.すべて

みなさんこんばんは。

CarlZeissのマニュアルフォーカスのレンズとカメラとディズニーが大好きなだらだらくまです。

今回はレンズのご紹介です。CarlZeiss(カールツァイス)というメーカーの「Planar T* 1.4/50 ZE」というレンズになります。このレンズは大変すばらしいレンズなのにあまり選ばれません。それには理由がいくつかあります。

一眼レフやミラーレス一眼を購入して純正レンズだけ使用しているかたは聞き慣れないメーカーだと思います。なぜみなさんが知らないかをご説明します。

○ 雑誌などでもあまり取り上げられない
○ MF専用のレンズ
○ 単焦点レンズ
○ ドイツ語

この4点が理由だと思います。
雑誌などで取り上げられなければ情報は無いに等しいです。では雑誌に取り上げられないのにも理由がありそうです。MF専用であることで他のレンズとAFの比較ができないことや50mmのレンズは多く発売されているためそちらとの比較になってしまっています。

そして現行型のレンズでありながら発売から時間が経ってしまっていることも理由にあげられます。

メーカー名がドイツ語であることも原因ですね。読みづらい名前です。実はコンパクトデジタルカメラでもSONYのカメラや京セラのカメラにはCarlZeissのレンズが使われています。SONYのビデオカメラにはCarlZeissのレンズが付いているものもあります。表記がとても小さいことと読めないことで気づかずにいることもあります。

50mmのレンズの中では影に隠れていますがすばらしいレンズであることのご紹介です。

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どんなレンズなのでしょう

メーカーの名前ですが、カールツァイスとよみます。
ドイツのカメラの初期からあるメーカーです。

Planar T* 1.4/50 ZEの表示がわかりづらいですが、50mmの単焦点レンズでF1.4のマニュアルフォーカスのレンズです。

レンズの名前の中のPlanarはCarlZeissではレンズの構成がダブルガウスという構成につけている名前です。

T*というのはレンズのコーティングの名前でフレアやゴーストが発生しないように反射防止のコーティングがされています。
最後のZEはCANONのEFマウント用という意味です。
CarlZeissのレンズは表記もCarlZeissとなっていますが、自社ではほとんど生産していません。昔からありますがOEM生産がほとんどです。
SIGMAのようなレンズメーカーでもすべて自社生産の会社とは違いますね。

今回のレンズは製造しているのは長野県のCOSINAという老舗のメーカーです。それをCarlZeissが審査をします。ちなみにT*(ティースター)コーティングはCarlZeissの門外不出のレシピとのことです。

これでレンズの中で光が反射して写真が悪くなるのを防ぐんですね。
合格したレンズだけがCarlZeissとして販売されます。
レンズを購入するとサイン入りのチェック票が入っていますよ。

レンズチェック票
以前は各項目のチェックも手書きでした

レンズチェック票

CarlZeissレンズチェック票

その他の製造メーカー

CarlZeissのレンズはCOSINA以外のメーカーも製造しています。
有名なのはSONYですね。一眼レフのレンズからミラーレス一眼のレンズ、そしてコンパクトデジタルカメラのレンズからビデオカメラのレンズまで多種多様です。昔ではYASHIKAが製造していて吸収合併により京セラに引き継がれました。今回は割愛しますがとても優秀な光学メーカーが古くから日本にあったということです。

近年ではFUJIFILMのミラーレス一眼のレンズにもCarlZeissのものがあり製造メーカーは開示されていませんがAF技術があるメーカーのようです。
SONYのCarlZeissレンズとCarlZeissのTouitシリーズはAFが使用できるレンズです。
AFで使用できるのはFUJIFILMのXマウントとSONYだけですが社外品レンズの中では今までMFが主体のレンズであったことからAFで使用できる将来が楽しみなレンズです。

だらだらくま
だらだらくま

CarlZeiss Planar T* 1.4/50 ZEはどんな写りをするのかな?

ぺん先生
ぺん先生

やわらかさからしっかりまでいろんな表現ができるよ

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ダブルガウスとPlanar

このレンズはダブルガウスという古くからあるレンズ構成です。
ガウスはヨハン・カール・フリードリヒ・ガウスが凸レンズとメニスカスレンズを貼り合わせずに空けて配置することを提案しました。これは1817年のできごとです。
そしてこのガウスを対象に配置して間に絞りを取り入れたのがアルヴァン・クラークで1988年にダブルガウスの特許出願です。この形式が現在のダブルガウス型のレンズの基本になっています。
ここから光学設計を改良してレンズを貼り合わせることによりパウル・ルドルフがPlanarが生まれました。

以下のレンズがダブルガウス構成のレンズです。

○ CANON EF50mm F1.8 (Ⅱ、STM)
○ CANON EF50mm F1.4 USM
○ CANON EF50mm F1.2 L USM
○ SIMGA 30mm F1.4 EX DC HSM
○ SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM

でもどのレンズも写りや表現は違うんですね。

85mmのレンズでもPlanar構成のものがありますが変形型のレンズになっています。

レンズの写りかたと表現

だらだらくま
だらだらくま

写真にはどんな特徴があるの?

ぺん先生
ぺん先生

F1.4-F2.5くらいまではふわっとした写りだよ
しかもとてもピント合わせはむずかしいのね
F2.8からは色もしっかりとした解像度が高い描写をするよ
F5.6-F8になると周辺画質もしっかりとした色濃い写りになるよ

開放F値ではゆるい描写で絞ると解像度が増していく
昔ながらのレンズです。

このレンズのひとつの顔として
F1.4-F2.8のゆるふわの描写があります。
ダブルガウス型のレンズは構成枚数が少ないことでとても明るいレンズが作れますが明るいことにより収差が残るレンズになっています。
これがゆるふわの原因です。決してピントが合っていないわけではなくまわりにふわっとしたソフトさが出るレンズです。

CANON EOS1D MarkⅣ と CarlZeiss Planar T* 1.4/50 ZE で撮影
ISO100 F2 1/50秒
ディズニーシー15周年オーナメント
Planar T* 1.4/50

CANON EOS6D と CarlZeiss T* 1.4/50 ZE で撮影
ISO100 F1.4 1/1250秒で撮影
木の枝と葉のまわりにパープルフリンジ発生

ホーンテッドマンション

F1.4で木にパープルフリンジ

最近の優秀な描写をするレンズといわれるレンズたちは
F1.4からしっかりとした写りをするんです。
そんなレンズも大切だと思いますが、
わたしはこのF値を小さくしたときのふわっとした描写と
F値を大きくしてしっかりとした使いわけで上手に写真を撮れたときに
最高のうれしさを感じます。

だらだらくま
だらだらくま

どうやってピントを合わせるの?

ぺん先生
ぺん先生

ファインダーをのぞいて肉眼でくっきりしたら撮影する方法と
フォーカスエイドというピントが合ったときに光ったり
音がなる機能を使用する方法
そして液晶画面を利用してピント合わせをして撮影する方法があるんだよ

マニュアルフォーカスレンズでも
オートフォーカスレンズでもピントの山というぴったりとピントが合う位置があります。
この山が急でボケているところからくっきりと浮き立ってピント合わせができるといいのですが、
CarlZeiss Planar T* 1.4/50 ZEはこの山が非常になだらかでどこでピントがあっているか肉眼ではわかりづらいです。

そのため音や赤く光って教えてくれるフォーカスエイドを使いたいのですがこれが外れることがあります。
いちばんいいのはライブビューという背面液晶で拡大して確認しながら撮影する方式になりますね。

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レンズ本体の質感はどうかな?

オートフォーカスレンズと違い
マニュアルフォーカス専用のレンズのためモーターはありません。
そのかわり、昔のマニュアルフォーカスレンズと同じく
螺旋のネジ山が噛み合ったヘリコイドという
構造をとっていてレンズのピントリングを回しながらピント合わせをします。

軽量化などは一切考えられていないレンズで金属とガラスだけのレンズです。
そのため同じ大きさのAFレンズと比べて少し重いと思います。
MFのみのレンズですが、この金属とガラスのかたまりをピント合わせをするために
グリスが潤滑するヘリコイドを動かしているだけで最高のしあわせです。

カールツァイスのレンズはどれも魅力的なレンズで価格も
いちばん安価なCarlZeiss Planar T* 1.4/50 ZEでも何万円もします。
しかもシャッターをきるまでには非常に時間がかかります。
悪いことばかりがあがってしまいますね。

この撮影工程がとても楽しいレンズなんです。

急いで撮影したい方にはやはりオートフォーカスのレンズをおすすめします。

ゆっくり、じっくり、そして気がすむ表現ができるまで
自分を追い込みたい方向けのレンズなんです。
距離が離れたものを撮影するときはフォーカスエイドも外れませんので
絞って撮影するなら慣れればAFと同じくらいの早さで撮影できます。

CANON EOS6D と CarlZeiss T* 1.4/50 ZE で撮影
ISO100 F5.6 1/250秒
ディズニーシーのエントランス
F5.6でしっかりと明暗を撮影

エントランス

ディズニーシーのエントランス

海外のレンズメーカー

カメラをいろいろ調べていくとライカやハッセルブラッド
カールツァイスなどのメーカーの知識がついてきます。

ライカやハッセルブラッドはデジタルカメラを発売していて100万円以上するような高級メーカーです。
現在CarlZeissはデジタルカメラ本体の発売はしていません。発売は予定されているとのことで楽しみです。
どのメーカーも高級で技術力が高いことは昔から変わっていません。

ハッセルブラッドはスウェーデンのカメラメーカーですが常にCarlZeissのレンズといっしょというイメージがあります。
アポロ計画の撮影もハッセルブラッドで撮影していたとのことです。

ライカは民間企業であったため戦時中の分裂などには巻き込まれず存続されました。
現在でも大変高価ですばらしい写りのレンズを販売しています。しかし昔は明るいレンズが作れずシュナイダー・クロイツナッハに生産を依頼したという経緯があります。当時はまだライカではなくライツでしたがここにはCarlZeissとの明るいレンズの競争があったことがうかがえます。

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まとめ

CarlZeissはあこがれのひとつで同じ焦点距離と同じF値でオートフォーカスが使えるレンズがあるとそちらを購入してしまって知ってはいるものの手持ちのかたはあまり見かけません。

それでもマニュアルフォーカスとこのレンズが見せてくれるいろいろな表現の描写の魔法にかかりたい方にはとてもおすすめのレンズです。

欠点はマニュアルフォーカスで撮影までに時間がかかることです。
でも本当の欠点はCarlZeissの魅力にとりつかれてしまうとCarlZeissのレンズばかり集めてしまうことかもしれませんね。

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